
銅を着色材としてふくむ赤い釉薬のことを辰砂釉(しんしゃゆう)といいます。
中国の元の時代に釉裏紅(ゆうりこう)として出発した辰砂釉は、
清の時代に今日見られるような赤い釉薬になりました。
焼き物の中で出しにくい色の一つとして知られ、
釉薬の調合、厚さ、素地土、焼き方の
四つの条件がうまく揃ってはじめて良い色が出ます。
また、ふちの部分が白くなるのは辰砂釉の特徴の一つで、
他の着色材(鉄など)で出す赤色と見分ける
ポイントになります。

そのふちの部分の白色と、本体の赤色のバランスも
辰砂釉を楽しむ一つの要素になると思います。
当窯元では、開窯(1975年)以来辰砂釉に取り組み、
代表的な色として今日に至っております。
現在、うすい赤色、濃い赤色、また、つや消し状の赤色など、
色々な赤色がありますが、今後これらを更に発展させ、
新しい辰砂釉を目指して努力しています。

(辰砂釉の窯変。稀に、このように面白い出方をします。)
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